数学の作用素論の分野において、ジョン・フォン・ノイマンの名にちなむフォン・ノイマンの不等式(フォン・ノイマンのふとうしき、英: von Neumann's inequality)とは、T をあるヒルベルト空間上の縮小とし、p をある多項式としたとき、p(T) のノルムは単位円板内の z に対する |p(z)| の上限によって上から評価されることを表す不等式である。言い換えると、固定された縮小写像 T に対する多項式汎関数計算写像は、それ自身が縮小写像となる。この不等式は T のユニタリ伸張を考えることで直ちに証明することが出来る。

この不等式は、次に述べるマツエフの予想の特別な場合である:任意の多項式 P と、 L p {\displaystyle L^{p}} 上の任意の縮小写像 T に対して

P ( T ) L p P ( S ) p {\displaystyle \|P(T)\|_{L^{p}}\leq \|P(S)\|_{\ell ^{p}}}

が成立する(という予想)。ここで S は右シフト作用素である。フォン・ノイマンの不等式によれば p = 2 {\displaystyle p=2} の場合にこの予想が正しいことが分かる。また p = 1 {\displaystyle p=1} p = {\displaystyle p=\infty } の場合も、直接的な計算により分かる。しかし近年、ドルリーによってこの予想は一般の場合には成立しないことが示された。

脚注


ジョン・フォン・ノイマン(1903年12月28日生~1957年2月8日没、数学者) hideakimのブログ

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